文学ノート 2018

「このごろは生も死も、あまり角立ち固定した形のものには見えませんで、具体と抽象にも、現在も過去未来にも、きわ立った境はないように感じます」

(川端康成『手紙』)

 

「吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果不自由を感じて困って居る」

(夏目漱石『吾輩は猫である 下編』)

 

 

 

 

「私は現在のものを享受しよう」

(ゲーテ/竹山道雄 訳『若きエルテルの悩み』)

 

「私は私の生き方を生き抜く」

(太宰治『駈込み訴え』)

 

「見知らぬ神に感謝して、喜びの日を謹んで待ちたい」

(武者小路実篤『愛と死』)

 

 

 

 

「もしもと思うのからして、たしかにふしぎなようだが、そういうふしぎがあってもふしぎではない」

(川端康成『女であること』)

 

「これ程旅をし冒険もし、瞑想にふけり、試行錯誤したあげくがまだ自己形成の途中なのだ」

(ヴァージニア・ウルフ/杉田洋子 訳『オーランドー』)

 

 「何事も皆前生の報いなのでしょうから、根本的にいえば自分の罪なのです」

(紫式部/与謝野晶子 訳『源氏物語〜須磨〜』)

 

 

 

 

「あれだけ降ったんだから、もう晴れるでしょうや」

(ソーントン・ワイルダー/鳴海四郎 訳『わが町』)

 

「こうであればああであり、それであればこうになる」

(紫式部/与謝野晶子 訳『源氏物語〜夕霧 二〜』)

 

 

 

 

「あながちに忍びて書きしあと見ればわが文ながら涙こぼるる」

(与謝野晶子『青海波』)

 

「声はせで身をのみこがす蛍こそ言ふよりまさる思ひなるらめ」

(紫式部『源氏物語〜蛍〜』)

小山 和哉